大型犬を飼っていると、毎日の食事選びは悩ましい問題ですよね。成長期にはしっかり栄養を摂らせたいし、成犬になっても健康維持のために質の良いフードを選びたい。そもそも、小型犬や中型犬と比べて、大型犬にはどのような栄養が必要で、どんな点に注意して選べば良いのでしょうか?
この記事では、獣医師監修のもと、大型犬に最適なペットフードの選び方から、おすすめの商品まで詳しく解説します。愛犬の健康寿命を延ばすためにも、ぜひ参考にしてください。
大型犬のペットフードの選び方
大型犬の成長期と成犬期では、必要な栄養素やカロリー量が異なります。愛犬の年齢やライフステージに合わせて、最適なペットフードを選びましょう。
1. 年齢・ライフステージに合わせた選び方
【成長期】子犬(生後約18ヶ月まで)
大型犬の子犬は、成長スピードが速く、骨や関節への負担も大きくなります。そのため、高タンパク質・高カロリーでありながら、カルシウムやリンのバランスが良く、関節の健康をサポートする成分(グルコサミンやコンドロイチンなど)が配合されているフードを選ぶことが重要です。
【成犬期】(生後約18ヶ月〜6歳頃)
成犬期になると、成長期のような急激な成長は見られなくなりますが、健康維持のためにバランスの取れた栄養が必要です。高タンパク質で適度なカロリーのフードを選び、肥満を防ぐことが大切です。活動量や体質に合わせて、最適なフードを選びましょう。
【シニア期】(7歳頃〜)
大型犬のシニア期は、消化機能が低下したり、運動量が減る傾向があります。そのため、消化吸収率が高く、低カロリーで、関節の健康維持や体重管理をサポートする成分が配合されたフードがおすすめです。食物繊維や抗酸化物質も積極的に摂取させたいところです。
2. 成分表示のチェックポイント
原材料の質
主原料に肉(チキン、ラム、サーモンなど)が使用されているかを確認しましょう。穀物が多く配合されているフードは避け、質の高い動物性タンパク質をしっかり摂れるものを選ぶことが大切です。また、アレルギーの有無も考慮し、原材料を確認しましょう。
タンパク質と脂質のバランス
大型犬は筋肉量が多いため、十分なタンパク質が必要です。一般的に、成犬用フードでは20〜30%程度のタンパク質が推奨されます。脂質についても、成長期や活動量に応じて適切な量が含まれているか確認しましょう。ただし、過剰な脂質は肥満の原因になるため注意が必要です。
関節ケア成分の有無
大型犬は骨や関節に負担がかかりやすいため、グルコサミンやコンドロイチン硫酸などの関節の健康をサポートする成分が配合されているフードを選ぶと良いでしょう。これらの成分は、軟骨の健康維持や関節炎の予防に役立ちます。
着色料・香料・保存料
犬の健康を考えると、不要な添加物はできるだけ避けたいものです。着色料や香料が無添加で、自然由来の保存料が使用されているフードを選ぶことをおすすめします。
3. 犬種ごとの特性を考慮する
大型犬といっても、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、柴犬、北海道犬など、犬種によって体格や運動量、かかりやすい病気などが異なります。例えば、股関節形成不全にかかりやすい犬種には、関節ケア成分が特に重要になります。
4. アレルギーの確認と対応
特定の食材にアレルギーを持つ犬もいます。原材料をよく確認し、アレルギーの原因となる食材を避けるようにしましょう。もしアレルギーが疑われる場合は、獣医師に相談し、低アレルゲンフードやグレインフリーフードなどを検討するのも一つの方法です。
大型犬におすすめのペットフード5選
ここでは、上記で説明した選び方を踏まえ、大型犬におすすめのペットフードをいくつかご紹介します。それぞれの特徴を比較して、愛犬にぴったりのフードを見つけてください。
商品名 | 特徴 | 主な原材料 | おすすめの犬種・ライフステージ |
---|---|---|---|
アカナ ヘリテージ コッブチキン&グリーンズ | 高品質なチキンを主原料とし、豊富な野菜や果物を使用。グレインフリーで、アレルギーに配慮。 | チキン、ターキー、ヘリング、レンズ豆、エンドウ豆、丸ごとニシン、グリーンピース、ニワトリ脂肪、丸ごとサバ、ニシン油、フリーズドライチキンレバー、チキン軟骨、フリーズドライラム、ラム肉、全粒オーツ、大麦、ソルガム、ジャガイモ、スイートポテト、エンドウ豆スターチ、リンゴ、ニンジン、カボチャ、ヒマワリ油、アルファルファ、海藻、トマト、ケール、イヌハッカ、ターメリック、ローズマリー、ショウガ、乾燥チコリ根、乾燥乳酸菌発酵生成物 | 全犬種、特にチキンアレルギーの犬、活動的な大型犬 |
オリジン パピーラージ | 大型犬の子犬の成長に必要な栄養素を豊富に配合。豊富な肉と内臓、軟骨で骨格と関節の健康をサポート。 | 新鮮鶏肉、新鮮七面鳥肉、新鮮丸ごとニシン、新鮮七面鳥内臓(レバー、ハツ、腎臓)、新鮮丸ごとサバ、新鮮鶏卵、新鮮鶏レバー、乾燥七面鳥肉、乾燥鶏肉、乾燥ニシン、乾燥サバ、乾燥七面鳥ハツ、鶏軟骨、全粒オーツ、全粒大麦、全粒エンドウ豆、丸ごとグリーンピース、丸ごとレンズ豆、丸ごとヒヨコ豆、レンズ豆、ポテト、鶏脂肪、ニシン油、七面鳥軟骨、七面鳥レバー、乾燥ビートファイバー、フリーズドライ鶏レバー、フリーズドライ七面鳥レバー、フリーズドライレンズ豆、フリーズドライグリーンピース、乾燥海藻、カボチャ、バターナッツスクワッシュ、乾燥ケルプ、乾燥ニンジン、乾燥リンゴ、乾燥スイートポテト、乾燥パンプキン、乾燥ブルーベリー、塩化コリン、亜鉛キレート、混合トコフェロール(酸化防止剤)、乾燥ラクトバチルスアシドフィルス菌発酵生成物、乾燥ビフィドバクテリウム・アニマリス菌発酵生成物、グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸塩、乾燥チコリールート、ターメリック、イヌハッカ、オレガノ、イーストセラーゼ、ショウガ、ペパリングミント | 大型犬の子犬 |
ロイヤルカナン マキシエイジング 10kg | 10歳以上の大型犬用。関節の健康維持と消化器の健康維持に配慮。 | とうもろこし、とうもろこし粉、肉類(鶏肉、鶏内臓)、米、動物性油脂、小麦粉、小麦、コーングルテン、加水分解動物性タンパク質、酵母および酵母関連物質、魚油、大豆油、植物性繊維、フラクトオリゴ糖、サイリウム、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、緑茶エキス(ポリフェノール源)、アミノ酸類(タウリン、L-カルニチン)、ミネラル類(Cl、Na、K、Ca、P、Mg、Zn、Fe、Mn、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、D3、E、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、コリン、ビオチン)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル) | 10歳以上の大型犬(26kg〜44kg) |
ソルビダ グレインフリーチキン 室内飼育大型犬用 | 室内で飼育される大型犬の健康維持に配慮したグレインフリーフード。消化器の健康と体重管理をサポート。 | チキン、チキンミール、レンズ豆、ポテト、エンドウ豆、乾燥トマト搾りかす、チキン脂肪、乾燥ポテト、ナチュラルフレーバー、サーモンオイル、エンドウ豆ファイバー、チキン軟骨、塩化コリン、乾燥チコリ根、ユッカ抽出物、乾燥ケルプ、乾燥ニンジン、乾燥リンゴ、乾燥トマト、乾燥ほうれん草、乾燥ニンジン、乾燥ローズマリー、乾燥オレガノ、乾燥タイム、乾燥ターメリック、ドライブルーベリー、ドライラズベリー、ドライストロベリー、乳酸菌、プロバイオティクス、プレバイオティクス、ミネラル類(亜鉛、鉄、銅、マンガン、ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンE、ナイアシン、チアミン、ビタミンA、リボフラビン、ビタミンB6、ビタミンD3、葉酸、ビタミンB12、ビオチン) | 室内飼育の大型犬 |
ブルーバリア 大型犬用 関節サポート | 大型犬の関節の健康維持に特化したフード。グルコサミンとコンドロイチンを豊富に配合。 | チキン、チキンミール、玄米、大麦、オーツ麦、ジャガイモ、エンドウ豆、鶏脂肪、トマト、リンゴ、アルファルファ、亜麻仁、チキン軟骨、グルコサミン、コンドロイチン、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンB群、その他ビタミン、ミネラル類 | 関節の健康が気になる大型犬 |
大型犬の食事で注意すべきこと
大型犬には、その体の大きさゆえに特有の注意点があります。毎日の食事管理で、愛犬の健康寿命を延ばしましょう。
1. 肥満の防止
大型犬は体が大きいため、たとえ少しの体重増加でも体に大きな負担がかかります。肥満は関節疾患、心臓病、糖尿病など、様々な病気のリスクを高めます。愛犬の適正体重を把握し、フードの量や質を適切に管理しましょう。おやつの与えすぎにも注意が必要です。
2. 急速な成長への対応(子犬期)
大型犬の子犬は成長が非常に速いです。成長期に急激に大きくなりすぎると、骨や関節が体の成長に追いつかず、骨関節疾患を引き起こす可能性があります。成長期用のフードは、カロリーやカルシウム、リンの含有量に注意し、獣医師のアドバイスに従って与える量を調整することが大切です。
3. 関節疾患のリスク管理
股関節形成不全や肘関節形成不全などの関節疾患は、大型犬に多く見られる病気です。適切な栄養管理に加え、適度な運動や体重管理で関節への負担を減らすことが重要です。また、グルコサミンやコンドロイチンといった関節ケア成分の摂取も、予防や進行抑制に役立つ可能性があります。
4. 特定の病気への配慮
大型犬は、胃拡張・胃捻転症候群(GDV)にかかりやすい犬種もいます。これは、胃がねじれてしまう重篤な病気で、早急な処置が必要です。食後の激しい運動を避ける、早食いを防ぐ工夫をするなどの対策が有効です。
大型犬のペットフードに関するよくある質問
Q1: 大型犬の子犬にはどのようなフードが良いですか?
A1: 大型犬の子犬は成長が早く、骨や関節に負担がかかりやすいため、高タンパク質・高カロリーで、カルシウムやリンのバランスが取れた、グルコサミンやコンドロイチンなどの関節ケア成分が配合されたフードがおすすめです。
Q2: 大型犬の成犬におすすめのタンパク質・脂質の量は?
A2: 成犬期においては、一般的にタンパク質は20〜30%程度、脂質は10〜15%程度が推奨されます。ただし、犬の活動量や体質によっても異なりますので、愛犬の様子を見ながら調整することが大切です。
Q3: グレインフリーフードは大型犬に合いますか?
A3: グレインフリーフードは、穀物アレルギーを持つ犬や、消化器系の弱い犬に有効な場合があります。しかし、すべての犬に合うわけではなく、グレインフリーでも他の成分でアレルギー反応を起こす可能性もあります。原材料をよく確認し、愛犬の体質に合わせて選びましょう。
Q4: シニア犬用のフードに切り替えるタイミングは?
A4: 一般的に7歳頃からシニア期に入ると言われています。ただし、犬種や個体差があるため、体の変化(食欲の低下、運動量の減少、関節の衰えなど)が見られたら、獣医師に相談して切り替えのタイミングを決めると良いでしょう。
Q5: フードの切り替え方はどうすれば良いですか?
A5: 急にフードを切り替えると、消化不良を起こす可能性があります。今まで与えていたフードに新しいフードを少量ずつ混ぜ、徐々に新しいフードの割合を増やしていく方法が一般的です。1週間〜10日かけてゆっくり切り替えることをお勧めします。
まとめ:愛犬に合った最高のフードを見つけよう
大型犬との暮らしは、たくさんの喜びをもたらしてくれます。その健康と長寿のために、日々の食事選びは非常に重要です。この記事で紹介した選び方を参考に、愛犬の年齢、ライフステージ、犬種ごとの特性、そしてアレルギーの有無などを考慮して、最適なペットフードを選んであげてください。
迷った場合は、かかりつけの獣医師に相談することをお勧めします。愛犬がいつまでも元気で健康に過ごせるよう、最適な食生活をサポートしましょう。